なりひさ通信など

国民のくらしは よくなったのだろうか(号外)

 日本はいま、経済の長期停滞、巨額の財政赤字、人口減少、格差という問題に直面しています。イノベーション(技術革新)を起こす環境を整備して未来への投資を促し、成長するアジア市場を積極的に取り込み、過度な格差を是正して経済成長を促進させ、持続可能な年金制度を確立し、財政再建の道筋をつけて,家族や社会への感謝の気持ちがあふれる日本を作らねばなりません。
 また、自国の安全と世界平和の実現に向けた現実的対応を鋭く問われる世界情勢の中を我々は生きているのみならず、国民と国家との大切な約束である憲法のあり方が問われ、戦後70年、日本は時代の大きな分岐点に立っています。
 政権交代可能性のない国家は、国民を未来に連れていきません。高橋なりひさ氏は,ビジョンを示し、国民のための政治を確立して働く者・納税者・生活者・消費者の手に日本を取り戻し、世界で最も信頼される国家、繁栄と平和を積極的に実現する社会、安心して暮らせる八王子を目指します。

 

★5つの主張

 ① 大学無償化
     子育て支援の一環としての側面のみならず、人材育成による技術革新が促進され、
     貧困の連鎖も断ち切り、ひいては経済成長につながる

 ② 労働環境の整備・実質賃金上昇
     所得格差の縮小によりチャンスを拡大するのみならず、子育て・教育の不安を軽減
     させ、日本経済を支える個人消費を伸ばし、ひいては経済成長につながる

 ③ 中小企業を含めた技術革新・海外展開促進税制
     投資が増加するのみならず、成長するアジア市場を取り込むことで、賃金と雇用を
     増大させ、日本経済を支える個人消費を伸ばし、ひいては経済成長につながる

 ④ 持続可能な年金制度の確立
     老後の生活の最低保障の役割を担う「年金の基礎部分」は債権で手堅く運用。
     これにより、未来の見通しが立って将来への不安が減少し、日本経済を支える個人
     消費を伸ばし、ひいては経済成長につながる

 ⑤ 財政再建の道筋をつける
     日本経済破綻の危険を回避する

2016年05月06日

斉通2016年9月号

 こんにちは。暑い日々が続きますが、皆様お変わりございませんか。高橋なりひさです。
 まずは、八王子学園八王子高校の甲子園出場、おめでとうございました。私も、神宮球場、そして甲子園球場に赴き応援をさせていただきました。残念ながら甲子園では初戦敗退となりましたが、勇気と感動をありがとうございました。

 さて、熊本地震の被災地ボランティアに行って参りました。熊本では被災関連報道が今でも続いています。しかし東京ではその情報量は少なくなってきており、我々が被災地におもいを寄せる意味でも、我々自身が学ぶ上でも、風化させることなくもっと情報を伝えていただきたいと思います。

 被災地の復興の重要性は当然です。しかし、それにとどまらず、一人ひとりの自由な人生を支えるサービスを広く国民全員が受け取れる役割を、政府が果たしていけるとよいと思っています。子育てへの不安とか、医療・介護への不安とか、老後の不安とか、失業への不安とか、そういった将来の不安を最大限減らせることができれば、一人ひとりの幸福度が向上します。また、一人ひとりのチャンスも広がります。そうすれば結果として、格差も改善し、少子化の解消にもつながり、消費なども拡大して国家全体の経済も成長し、財政健全化にも寄与するはずです。
 ヒューマン・ファーストの政治を、一緒に目指しませんか?

2016年08月11日

斉通2016年10月前半号

皆様、こんにちは。
すっかり秋めいてまいりましたが、皆様お変わりございませんでしょうか。高橋なりひさ でございます。
 
 日本経済の先行きは依然として不透明です。
 非伝統的金融政策により、いったんは円安・株高になりましたが、それも沈静化しました。それのみならず、賃金は横ばいで、年金の抑制が始まっていますから、国民の暮らしは逆に困窮しています。
 財政政策は、相変わらずの借金頼みのバラマキ政策です。大量の国債を発行して減税と公共投資を行っても経済成長が無理であることは、この「失われた20年」で証明されているのに、全く懲りる様子もありません。もしかしたら、日本のために減税と公共投資をしているのではなく、特定の誰かのためにやっているのではないかと疑いたくもなります。

 未来が見通せない。だからこそ個人消費が冷え込む。個人消費が冷え込むから日本経済全体が風邪をひく。そうした悪循環に陥っているのが現状です。そうだとすれば、いま為すべきことは明らかです。個人の貯蓄に頼るのではなく、社会全体の貯蓄である財政に投資し、未来の見通しを立てやすくし、個人消費を向上させるべきです。

 東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんがノーベル賞を受賞されました。日本は人材こそが資源です。ではいったい、20年後、50年後にも、今と同じように人材大国でいられるでしょうか?私は不安です。未来の日本を支えてくれるはずの子供たちの、6人に1人が相対的貧困に陥っています。これが果たして、素晴らしい政治でしょうか?
 0歳から5歳までの修学前教育の無償化、私立大学費用の国公立大学並みへの減額、この2つを実現するために必要な財源は消費税1%程度です。
 
 未来への投資。始めませんか!?

2016年10月13日

斉通2016年10月後半号

TPPの議論が花盛りである。 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」との格言どおり、まずは歴史を振り返ってみたいと思う。
 1929年に始まった世界大恐慌の際、各国が国内産業を保護するために輸入品に高い関税(輸入品に税金をかけること)をかけるなどの「保護貿易政策を採用したことで、国際貿易が低迷し、かえって世界恐慌が悪化した。第二次世界大戦前、各国が「ブロック経済」(植民地を持つ国が自国と植民地をブロックとして第三国に対し高い関税障壁などを作る排他的経済体制)を作ったことで、世界経済が停滞し、資源のない国は困窮することとなる。そして、世界は、軍事力による大きな対立に突入していったのである。
 そのことへの反省から、戦後、関税障壁をなくして貿易の自由化を目指すGATT(関税及び貿易に関する一般協定)という国際的な条約が1948年から暫定的に始まった。GATTによる貿易自由化により、GATTに参加した日本は高度成長を成し遂げる一方、GATTに参加しなかった途上国の多くは経済成長を成し遂げられなかった。貿易の自由化は、基本的に経済全体に恩恵をもたらすのである。
 
 しかし、もちろん貿易の自由化には多くの問題点や課題がある。
 まず、貿易の自由化は、経済全体の利益は増大させるが、農業など、被害を受ける分野も出てくる。そのため、被害を受ける者に対する手当ては、是非とも必要となろう。
 しかし、海外からの安い輸入品に関税を設定して国内産業を保護せよとの声は吟味が必要である。つまり、関税は、たしかに被害を受ける可能性のある者に対する保護の側面があるが、それだけでなく、実は消費者に対する「消費税」の側面がある(しかし、そういった反対の声はなかなか聞こえてこない!なぜか!?)。輸入品に関税をかけることで輸入品の価格が上昇し、それにつられて国内の同様の品の価格も上昇して、その上昇分だけ消費者の負担が増大するからである。そうすると、被害を受ける者への手当という意味では、関税よりも直接的な補助金がよいともいえる。
 また、より重要なことは、経済連携協定では多くの分野に影響を与えるということである。TPP条文だけでも、食の安全、金融・投資・保険サービス、医療・保険、環境などに影響を与えるし、TPP関係整備法案では、著作権法、医薬品・医療法、地理的表示法などに影響を与える。だからこそ、1つ1つ丁寧に議論を進めなければならない。一括議論は極めて危険なのである。
 国会でのさらなる丁寧な議論を望みたい。

2016年10月31日

斉通2016年11月号

 子供たちが輝ける国へ


 子供たちが減っている。

 では、どのような少子化対策をとるべきなのだろうか。

 少子化の主な原因は未婚・晩婚化である。日本の子育て支援のための支出はヨーロッパ諸国と比べて半分以下という状況下で、現に、「未婚・晩婚が増えている理由」について約5割の男女が「経済的に余裕がないから」との回答をしている。また、日本では結婚・出産に伴う就業継続の困難性などによる男女賃金格差が残っているが、出生率を回復させて少子化を克服しつつあるスウェーデンなどでは男女賃金格差が小さい。
そうすると、①子育て・教育費用の大幅な支援策を採用する、②産休や育休の充実など働き方を変化させたり、保育サービスを充実させることで、結婚・出産に伴う就業継続の困難性を克服して男女賃金格差を改善することが、有効な少子化対策となろう。

 さらに言えば、単に子供が増えればよいということではない。いまの日本は子供の6人に1人が相対的貧困である一方で、保護者の社会経済的地位によって子供の最終学歴に差があるという研究結果もある。保護者から子供への貧困の連鎖を断ち切り,すべての子供たちの潜在的可能性を最大限に引き出して,国家の損失を最小限にするには,子育て・教育への国家からの支援は極めて重要なのである。

 子供が独り立ちするまでに必要な手助けを,家庭だけに押し付けず,国家や社会が支えることで、21世紀の日本を支える「子供たちが輝ける国」、人材大国日本をつくろうではありませんか。

2016年11月30日

斉通2016年12月号

 平成28年 十大ニュース

今日は大晦日です。この一年を振り返りつつ,順不同で、なりひさが今年の十大ニュースをピックアップ!!

天皇陛下,譲位のご意向
 天皇陛下が「高齢となった天皇の望ましい在り方」についてのお考えを示された。年金法・TPP法・IRカジノ法などで見られたような議論不足の国会運営は絶対に避け,皇室のあり方や憲法論を踏まえた充実した議論をすべきだ。

熊本地震
 ボランティア活動へ伺った際,熊本城跡の石垣や多くの人家が崩落している姿は今でも忘れられない。弁護士として考えてみると,災害予防や復興に関する法制度の再議論の必要性を感じている。

リオ五輪
 史上最多の41個のメダルを獲得。次は東京五輪だ。放漫な財政・金融政策を続ける現体制を象徴するように、予算は当初の約10倍にも膨れ上がっている。国民によるコントロールを取り戻すことが重要だ。

大隅良典氏,ノーベル生理学・医学賞を受賞
 3年連続の日本人受賞。リオ五輪と同様,国民の努力や才能が形になったものだ。国民の努力や才能が明らかになったのであるから,現在の日本低迷の原因は,国民の努力や才能が足りないからではなく,政治の責任だ。

イギリス, EU離脱
 イギリス国民,特に労働者と高齢者が,都市部の支配層のための政治への不満を形にし,イギリスのEU離脱を選択した。世界は激動しており,日本も脱皮していかなければならない。

アメリカ大統領選,トランプ氏勝利
 アメリカ国民が,構造的な格差や貧困の問題に気づき,一般庶民の生活を無視した政治にNOを突きつけた。同様に,日本でも構造的な格差や貧困が広がっている。政治が変われば未来が変わる,未来は私たちの一歩で変えられる。

出生数が初の100万人割れ
 格差・低賃金などにより結婚・出産を諦めざるを得ない構造を変える必要がある。電通過労死のように社会や企業が個人に無理強いする構造を変える必要がある。21世紀型の新しい社会をつくれるか否かが,未来から鋭く問われている。

18歳選挙権施行
 選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられた。東北大学研究室によると,若年層の投票率が1%下がると若者は1人あたり年約13万5千円分の損失を被る。若い力が,フレッシュな政治を作る。

民進党が船出
 「自由、共生、未来への責任の旗を高く掲げ、力強く国民とともに進む」との結党宣言を採択し、民進党が発足した。ナンバー2の政党だからこそ,より一層の努力に励んでいます。

高橋なりひさ,東京都第24区総支部長に就任
 高橋なりひさが,民進党東京都第24区総支部長に就任。八王子から国政を変えるべく,朝夕は駅頭などで街頭演説,昼は自転車で八王子市内を奔走して皆さんの声を聞いています。来年もぜひ,みなさんのお声をお聞かせください。

2016年12月31日

斉通 号外vol.1

 

日本経済成長の鍵は 教育水準の向上にあり!

 日本のGDPは世界第3位。しかし、国民1人当たりだと、日本は世界第26位で、1位のルクセンブルグの約30%程度しかないという残念な現状だ。  どうりで、豊かさが実感できないわけである。しかも、今後、日本では少子化が進んで人口も減り、経済成長はもう見込めないようにも思える。
 しかし、経済成長と格差是正に取り組めば、国民の生活状況や雇用状況を変化させることができ、社会保障の充実も見込め、自殺者も減少させて、多くの国民の豊かな人生と生命を助けることができる。 また、借金まみれの財政の健全化にも役立つ。だから、決して諦めてはいけない。そして、日本よりも人口が少なくても国民1人当りGDPが高い国は沢山あるから、諦める必要もない。 人口や資本が仮に減少しても、生産性を向上させれば経済成長は今後も可能なのである。
 人口が減るスピードを上回る生産性の向上と、格差の是正を行えば、まだまだ経済成長は可能である。そして、教育水準の向上は生産性の向上につながるし、また、子供への投資の乗数効果は公共事業の乗数効果の2倍あるとも言われる。つまり、無駄な公共事業はもうやめて、教育水準の向上に注力すべきだ。
 人への投資、一緒に実現しませんか?

2017年01月09日

斉通 号外vol.2

 

未来に希望を持てる国

 1月20日に始まった通常国会。為替や金融政策に依存するアベノミクスは、国際環境の変化に対し脆弱性をもつ。そんな中、日本時間1月21日未明にはトランプ氏が米大統領に就任し、国際情勢は見通しが不透明だ。また、2017年は欧州を中心に大きな選挙が目白押しだ。こういったときには、日本自身は着実な道を歩むのが肝要ではなかろうか。
 高橋なりひさの生まれた1970年代は、1人当たりGDPは今より少ないが、経済成長と格差の減少が同時進行し、皆が少しずつ豊かで少しずつ貧しく、希望のある時代だったと思う。ところがその後、「市場優位政策」で格差が広がり、分断が始まった。未来への希望が陰り、連帯やコミュニティー意識が損われてはいないか。汗水たらして頑張ることよりも数字遊びやカジノで楽して儲ける方が格好いいという風潮になってはいないか。拝金主義・ギャンブル体質の社会や、未来への希望や連帯感のない社会が瓦解することは、歴史が証明しているのではなかろうか。
 格差の悪影響を受けているのは大人だけではない。日本の子供の相対的貧困率は上昇傾向で、16.3%(6人に1人)にのぼっている。高橋なりひさも、大学受験や司法試験は決して平坦な道ではなかったし、今でも奨学金の返済を続けているが、努力し続けられたことは幸運だった。
 しかし、希望すらもがれてしまう状況もあるのではないかと考えさせられる事件がある。赤ちゃん取り違え事件だ。裕福な家庭に取り違えられた子供は、私立高校・大学へと進学し、その後も安定した人生を過ごしているそうだ。他方、母子家庭に取り違えられた子供は、女手一つで育てられ、中学を卒業して就職した町工場で働きながら定時制の工業高校を卒業し、その後も苦労を重ねているそうだ。この事件は、「個人の力では乗り越えられない社会の大きな壁」があるのではないかとの強い問いを私たちに投げかける。
 こうした壁を打ち破り、子供達が「未来に希望」をもち、「努力するチャンス」を誰もが手にできる社会を、一緒につくろうではありませんか。

2017年01月23日

斉通 2017年1月号

 

高齢者がイキイキ活躍できる社会

 祖母と過ごした時間は私の宝物の一つです。そのため,高齢者の皆さんのお姿を拝見すると気持ちがほっこりとします。それが高じて,高齢者に関する法律問題に弁護士として携わったり,高齢者に関するコラムを毎月新聞に執筆しています。
 さて,小田原市の職員が生活保護受給者を威圧するようなジャンパーを着用する事件がありました。生活保護受給世帯のうち約半数が高齢者世帯ですから,例のジャンパーの被害者の半数は高齢者です。胸がとても痛みます。
 
 高齢者の特徴は,就業率(働いている人の割合)の低さです。25歳から54歳までの男女は約8割,55歳から64歳までの男女は約7割の就業率であるのに対し,65歳以上の男女の就業率は約2割に激減します。仕事がなくなれば,生活水準が低下したり,生活保護受給者が増加するのも当然です。
 では,65歳になると急に身体的な衰えなどで働けなくなるのでしょうか。違います,これは社会の壁です。60歳以上の男女の3人に2人が「65歳を超えても仕事がしたい」と考えているのです。
 しかも,就業している高齢者は,無職の高齢者に比べて,幸福度が高いという調査や,死亡率が低いという調査も存在しています。
 働く意欲のある高齢者の皆さんがイキイキと活躍できる環境を作ること、その実現を妨げる社会の壁を取り除くことも,国の政治の役割だと思います。

2017年01月31日

斉通 号外vol.3

 

共謀罪(テロ等準備罪)Q&A

弁護士として、共謀罪(テロ等準備罪)には強い危機感を持っています。
そこで、主な質問をQ&Aにまとめてみました。

Q1:共謀罪(テロ等準備罪)はテロが対象でしょう?私たちには関係ないのでは?
A1:共謀罪では、テロとは関係のない犯罪も多く対象とされています。
 
Q2:共謀罪は「組織的犯罪集団」が対象でしょう?私たちには関係ないのでは?
A2:「組織的犯罪集団」に該当するかどうかの認定は捜査機関の判断にかかっています。会社や市民の団体、労働組合などの「組織的犯罪集団」ではない団体も共謀罪の対象となるおそれがあります。
 
Q3:共謀罪の処罰の対象となる「合意」の有無の判断は簡単なの?
A3:簡単ではないため、①恣意的な検挙のおそれ、②プライバシーを日常的に監視する捜査(電話盗聴やメール監視など)が行われるおそれ、③冤罪の危険があります。
 
Q4:パレルモ条約(国連越境組織犯罪防止条約)の批准に、共謀罪が必要なの?
A4:必要ありません。パレルモ条約は,「国内法の基本原則」(Q5参照)に基づく立法を行えばよいとしており、現在でもパレルモ条約の批准は十分に可能な状態です。
 
Q5:「国内法の基本原則」とは?
A5:国内法の基本原則は、「既遂」処罰が原則で、「未遂」は例外、「予備」はさらに例外、「共謀」は“極めて特別な重大な法益侵害に関するもの”に限って処罰するというものです。しかし、共謀罪が対象とする犯罪の中には万引きなどの“極めて特別な重大な法益侵害に関するもの”とは到底いえないものも含まれているようです。
  
Q6:パレルモ条約と共謀罪の関係は?
A6:パレルモ条約は,もともとは不正な「経済的利益」を目的とするマフィアなどの「国際」的な組織犯罪を対象にしたものであり,テロ対策とは直接関係ありません。他方,共謀罪は,「経済的利益」や「国際」性とは無関係に処罰されるものであり、共謀罪はパレルモ条約批准の範囲を超えています。
 
Q7:パレルモ条約を批准した各国はどのように対応しているの?
A:新たな共謀罪立法を行ったことが確認できた国はノルウェーなどごくわずかです。
 
Q8:テロ防止のために共謀罪が必要なのでは?
A8:テロ防止のための国連条約のほとんどを日本は批准して立法化しています。また,共謀罪はテロ行為とは関係のない多くの犯罪を対象とし、その数は300以上と膨大な数です。

                         資料:日本弁護士連合会

2017年02月07日

斉通 号外vol.4

            年齢階級別・死因順位  (厚労省・H27人口動態統計)

  10~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳
1位 自殺 自殺 自殺 悪性新生物 悪性新生物
2位 不慮の事故 不慮の事故 悪性新生物 自殺 心疾患
3位 悪性新生物 悪性新生物 不慮の事故 心疾患 脳血管疾患
4位 心疾患 心疾患 心疾患 脳血管疾患 自殺
5位 脳血管疾患 脳血管疾患 脳血管疾患 不慮の事故 不慮の事故

こんな日本に 誰がした

 日本では毎年2万人以上が自殺で亡くなっており、OECD(ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め35ヶ国の先進国が加盟する国際機関)諸国の中ではかなり悪い水準です。特に、この25年間で、30歳代以下の若い世代の自殺死亡率が上昇しています。
 自殺の動機・原因をみてみると、「経済・生活問題」(生活苦や借金苦など)による自殺者数は2015年に4082人で、交通事故死亡者数の4117人とほぼ同数です。「経済・生活問題」による自殺は生活苦が主な原因であり、個人的な問題というより、社会的な問題でもあります。実際、景気が悪くなると「経済・生活問題」による自殺者数が増加するという相関関係があります。ですから、自殺者数の多さは、政治の責任です。
 では、どんな対策が有効なのでしょうか。多重債務者対策や相談窓口の充実が「経済・生活問題」による自殺の減少に有効だったとの指摘があります。また、職業訓練などの就労支援が自殺率の抑制に役立つとの指摘もあります。ですから、相談支援体制の拡充だけでなく、就労支援などの社会保障政策の拡充が有効な対策ということになりましょう。なにより、自由競争放任による弱肉強食をただし、再チャレンジできる社会をつくることが、政治の役割です。
 国民の命をもっと大切にする政治を目指そうではありませんか。
                                          参考資料:総務省・人口統計/厚労省・人口動態統計/警視庁・自殺統計/内閣府・景気動向指数/WHO・Mortality Database/柴田悠・自殺率に対する積極的労働市場政策の効果


2017年02月14日

斉通 号外vol.5

        

「すべての人のためのルール」を作ろう!
  
 給料は上がるだろうか、子供たちにしっかりとした教育を受けさせられるだろうか、病気になったら家族はどうなってしまうのだろうか、退職後に穏やかに暮らせるだけの貯えができるだろうか・・・日本人の多くは基本的な人生設計について深く悩まされている。経済成長戦略や株価上昇のニュースを耳にしても、どこか人ごとのように感じられ、自分の生活の改善は実感できない。元々豊かな人は株価上昇などでどんどんと豊かになり、富裕層の増加は世界一となっている一方で、勤労者の給与の回復は遅く、年金も目減りして、格差は拡大している(格差を示すジニ係数は過去最悪)。

 こういった状況は、適正な競争の結果ではない。現在の「不公平なルール」のせいだ。
 高額納税者の税率は引き下げられ(所得税の最高税率は、昭和49年が75%、平成27年が45%)、法人税率も引き下げられ(昭和59年が43.3%、平成28年が23.4%)、有価証券取引税(有価証券の譲渡に課税。平成9年の税収は約4000億円)と取引所税(先物取引等に課税。平成9年の税収は約4000億円)が平成11年に廃止される一方で、その利益は、大半の日本国民のもとには回ってきていないし、社会保障制度は不安を増すばかりだ。

 現在のルールがうまくいっていないのであれば、「ごく一部の豊かな人に有利なルール」から「すべての人のためのルール」へと、新しいルールを作ればよい。既存の政治家が日本に張り巡らせてきた「不公平なルール」を打ち破ればよい。

 今回も一つ、例を挙げよう。日本でも、「金融取引税」(株式、デリバティブなど、広く金融資産の取引へ課税)の整備に関する議論を加速すべきだ。
 「金融取引税」のメリットは、①経済の不安定の一因となっている短期的金融取引を抑制して、長期的生産的投資を促進させる、②金融経済は実体経済の10倍以上とも言われるから、かなり低い税率(たとえばEUではデリバティブ取引に0.01%)であっても(しかも一般国民には負担なく)相当な税収が見込める、という点にある。
 EUではすでに導入予定である。日本でできない理由はなかろう。  


2017年02月23日

斉通 2017年3月①号

        

「公平な税制」を!
  
 前回述べた通り、ほとんどの日本人は、適正な競争の結果ではなく、現在の「不公平なルール」の悪影響で、「本来は不要な苦労」を無理強いさせられている。「元々豊かな人」は、高所得者に有利な税制の恩恵を受けるだけでなく、株価上昇などで更に豊かになった。しかし、その恩恵はほとんどの国民にしたたり落ちてくることはなかったし、「勤労者」の給与の回復は遅く、「高齢者」の年金は目減りし、相対的貧困状態の「子供」はどんどん増加し、格差はさらに拡大した。
 今、何をなすべきか!? 答えは簡単だ。既存の政治家が張り巡らせた「ごく一部の豊かな人に、特別に有利な不公平なルール」を打ち破り、新たに「すべての人のためのルール」を作ればよい。
 今回も,新しいルールを1つ提案する。「金融所得への20%の軽減税率(分離課税)」の見直しだ。なお、金融所得とは、株式投資など金融商品の取引により発生した所得のことである。
 
 この見直しのメリットは次の3点である。
 メリット①:所得は,その種類がなんであれ,同じ率で課税するのが「公平」だ。つまり,労働所得と同じ率で金融所得にも課税すべきである。ところが,労働所得は累進課税方式(所得が多いほど税率が高くなる)で「5〜45%」であるのに,金融所得は分離課税で「20%」の軽減税率が適用されている。これはあまりに不公平だ。実際、その不公平な税制のせいで、所得税負担率(所得税/所得)(2014年)は、所得1億円の28.7%をピークに「下がり続け」、所得100億円を超えると17.0%にまで下がる(国税庁調べ)。高額所得者ほど、勤労所得ではなく金融所得が多くなるからである。所得が多いほど税率が高くなるのが公平なのだから、現状は極めて不公平な状態なのである。
 メリット②:日本を,「投機」ではなく「勤労」に報いる国へと方向付けることに役立つはずだ。税制が国民に与えるインセンティブの力は絶大だ。
 メリット③:不平等税制が是正されることで「歳入」が増え,人(教育など)やモノ(道路など)などの必要な公共投資ができるようになる。東京財団の試算によれば、金融所得への税率を5%上げるだけで約1兆円の税収増となるのだ。

 例えばフランスでは、分離課税ではなく総合課税で、金融所得にも15.5%~60.5%の累進課税が適用されている。
 日本の政治家の「本気」と「やる気」が、いま問われている。   


2017年03月02日

斉通 2017年3月②号

        

北朝鮮の核とミサイル
  
 北朝鮮は、3月6日、北朝鮮西岸から日本海に向けて4発の弾道ミサイルを発射し、うち3発が日本の排他的経済水域内に落下したとみられる。そして、北朝鮮は、3月9日、「在日アメリカ軍基地を攻撃目標に想定して行われた」と発表した。
 また、北朝鮮は、昨年9月に5回目の核実験に成功しており、6回目の核実験を直ちに行うことができる準備が進んでいるとも言われている。
 現状では、日本へのミサイル攻撃の防衛は、①ミサイル発射後に大気圏外で迎撃するイージス艦発射ミサイルと、②大気圏に再突入した後に迎撃する地上からのパトリオットミサイルの“二段構え”の迎撃ミサイルを基本とする。しかし、上記のような北朝鮮の弾道ミサイル技術の向上や核開発という現実を踏まえ、国民の生命を守る義務を負う国政には、北朝鮮のミサイルと核の脅威に対する対策が急務だ。
 パトリオットミサイルの迎撃範囲は数十キロメートルであるから、それだけで日本全土をカバーすることは事実上困難であろう。そこで、韓国ですでに採用された③地上配備の「高高度防衛ミサイル(THHAD)」や、④地上配備型の「イージス・アショア」を導入し、“三段構え”の体制をとるべきとの提案もある。しかし、それでも、迎撃率は100%にはならないであろう。そうすると、北朝鮮がミサイルと核の開発を着々と進めている現実に対し、日本政府には国民の生命を守るためのあらゆる選択肢の検討が求められよう。
 この点、ミサイル発射基地等を直接攻撃する「策源地攻撃」が望ましいかどうかの検討は急務だ。しかし、「策源地攻撃能力」は抑止力として導入するとしても攻撃能力ではある。そこで、日本がそれを有するのは望ましくないというのであれば、「シェルター」の導入を検討すべきではないだろうか。もちろん、このシェルターは、地震などの自然災害時の一時避難場所にも活用できるだろうし、機能拡張した地下鉄などを利用する方法もあろう。
 いずれにせよ、外交上の努力を重ねるのはもちろんであるが、抑止力としても、国民の生命を守るための現実的な対応が急務であろうと思われる。
  


2017年03月02日

斉通 2017年4月①号

        

問われる!政府の「インフラとしての公文書」管理能力
  
豊洲市場移転問題,森友学園問題,PKO部隊日報廃棄問題などの問題は,いずれも「公文書管理の不適切さ」に根本的な問題がある。
ここで,管理とは,作成し,保存し,利用するという一連のライフサイクル全体を含んだものである。

森友学園問題で事案の解明が遅々として進まないのは,「政府の適切な文書の管理」がなされていないからである。
したがって,森友学園問題解明につながる公文書に関して,管理のあり方について不適切なルールを作った財務大臣等や,ずさんな管理をした財務省等の責任が鋭く問われるべきである。

この「文書管理の不適切さ」,つまり「公文書管理のルールの不適切さと,運用の不適切さ」という問題は,PKO部隊日報廃棄問題や豊洲市場移転問題の背後にも同様に横たわっている。
公文書の記録,誤廃棄防止,所在特定,罰則などに関するルールが適切に整備・運用されていれば,今回の豊洲市場移転問題,森友学園問題,PKO部隊日報廃棄問題は発生していないか,あるいはすぐに事案の解明ができていたはずなのである。

そもそも,公文書は,主権者である国民が政治的な判断をする過程の基本を支える「国民的インフラ」にあたるし,国民への政府の説明責任のための「国民の共有財産」なのである。
また,公文書の適切な管理は,「国民の政府に対する信頼の基礎」ともなる極めて重要なものである。
こういった視点から,公文書管理法,情報公開法,特定秘密保護法(後日また取り上げたいと思う。)などを改正することが急務であると考える。  
  


2017年04月01日

斉通 2017年4月②号

        

「安倍政権下での金融政策が株高を招いた」は本当か!?
  
 安倍政権下での非伝統的金融政策である「量的・質的金融緩和」(注1)が株価の上昇をもたらしたと信じている発言も多い。しかし、それは本当だろうか。
 
 日銀が「量的・質的金融緩和」をする根拠は、「①量的・質的金融緩和をすれば、予想物価上昇率(注2)が上がって予想実質金利(注3)が下がり、②予想実質金利が下がると投資が増加して、景気がよくなる」と想定したからである(日銀副総裁発言)。
 しかし、この考え方は誤りであろう。
 まず、①金融緩和をしても、銀行貸出も通貨供給量(注4)も増えず、物価は上昇しない。実際、2016年の日本の物価上昇率はマイナスとの推計がある(2016年10月時点でのIMF推計)。また、②利子率の低下は投資に影響を与えない。企業が投資を決めるのは、沢山売れる時や競争力を高める時なのだ(経企庁調査)。
 
 では、なぜ2012年後半に日本の株価は上昇に転じたのか。
 2012年後半当時に割安感のあった日本株を、外国人投資家が買いに走ったことが原因と予想される。実際、2012年10月から、外国人投資家による日本株の買い越しが始まり、2012年11月から日経平均が上昇に転じたのである。
 
 ここで気付かれた方も多いかもしれない。時系列で流れをみてみると、安倍政権発足と金融緩和開始よりも前から、株価は上昇していることがわかる。
    2012年10月~   外国人投資家による日本株の買い越しスタート
    2012年11月~   日経平均が上昇に転じる!
    2012年12月     民主党から自民党への政権交代
    2013年4月      日銀総裁に就任した黒田東彦氏の下で、
                 最初の金融政策決定会合
 
 理論的にも、時期的にも、安倍政権下での「量的・質的金融緩和」と株価上昇は関係ないのである。
 


  (注1)日銀黒田総裁が2013年4月に発表した量的・質的金融緩和=①国債購入対象を拡大し、日銀が国債を購入。
      長期国債保有額を2年で倍増。②上場投資信託を年間1兆円購入。上場不動産投資信託を年間300億円購入。
  (注2)予想物価上昇率=家計や企業が予想する将来の物価上昇率
  (注3)予想実質金利=名目金利から予想物価上昇率を差し引いた金利
  (注4)通貨供給量=金融機関と中央政府を除き、国内の経済主体が保有する通貨の合計


2017年04月09日

斉通 2017年4月③号

        

 
民法改正案が、衆議院を通過
  
  物を買ったり、家を借りたり、お金を借りたりする場合のルールを見直す「民法改正」案が、平成29年4月14日の衆議院(本会議)で賛成多数で可決されました。この後は、参議院に送付されて、今国会で成立する見通しです。そして、3年間の周知期間を経て、2020年を目処に施行されます。
 今回の改正内容は過激なものではなく,従来からの判例などを明文化したり,ルールを合理化するものが多いといえます。とはいえ、民法は私法の一般法(私人間の関係を規律する分野に対して、一般的に適用される法)ですから、今回の改正は,私たち国民の日常生活や中小企業経営にも大きな影響を与えます。
  そこで、多岐にわたる改正点のうち、皆さんの生活や中小企業経営にかかわりそうなものを中心に、主な改正点をまとめてみます。

意思能力  認知症などで判断能力がない人が行った法律行為が無効であることが、明記されます。
賃貸借  大家は、家の借り手から預かった敷金を、賃貸借が終わって家の返還を受けたときには返還しなければならないことが、明記されます。
定型約款  インターネット通販、保険、運送などの契約で定型的に定められる「約款」(契約書の裏やパソコン画面に、小さい文字で沢山書いてあるアレです。)について、消費者に一方的に不利なものは無効となります。
保証 事業のための借入れに際して、第三者としての個人が保証人となる場合、保証人が公正証書を作成して保証する意思を表示しないと、保証は無効となります。

「こんな場合はどうなるの?」といった疑問は、お気軽にお尋ね下さい(高橋は弁護士でもあります)。
 今回の改正が皆さんの生活の改善につながることを祈っております。また、今回の改正でも救われない場合について、さらなる法改正を今後も訴えて参りたいと思います。


2017年04月14日

斉通 2017年4月④号

        

 
日本の国力を低下させる「安い賃金」
  
 実質労働生産性の上昇率と、実質雇用者報酬の上昇率の関係について、上記マンガの、右側3段目のグラフをご覧になってほしい(出典:OECD.Stat をもとに厚生労働省労働政策担当参事官室にて作成)。
 実質労働生産性の上昇率(実線)と、実質雇用者報酬の上昇率(点線)の間には、乖離が見られ、賃金の伸びが低く抑えられていることがグラフからわかる。本来は上がってもよいはずの賃金が上がっていないということである。これは、「賃金が上がりにくく、低い生活水準で満足することを余儀なくされるシステム」が作られ、それに甘んじることを強いられ、不公平な状況が固定化されつつあることを示していると思われる。上記グラフをみれば、賃金が不公平に低く抑えられ始めたのは2001年からであることがわかる。2001年といえば、自民党小泉政権が発足した年である。
 自民党小泉政権発足前は約2割だった非正規労働者が、今は4割を超えた。また、年収200万円以下の労働者は、1990年には19.6%だったものが、2003年には20%を超え、現在は約4人に1人となってしまった。
 日本の労働環境は、労働者を苦しめ続けて、格差を固定化あるいは拡大している。これを放置すれば、総需要も減少し、日本経済全体にもダメージを与え続けるだろう。
 労働環境の改善は、喫緊の課題だ。


2017年04月24日

斉通 2017年5月①号

        

 
安心だと信頼していただける「より良い年金制度」へ  
 
  日本経済のエンジンの一つが「自由主義経済の原則」(市場を通じて財やサービスが自由に取引されるのが望ましいとの考え方)です。競争により個々の能力を発揮することを目指すこの原則は、現在の日本経済においてとても重要なものです。
 しかし、全く安全網のない「自由主義経済」は極めて危険です。予想外の医療費などがかかったり、不慮の事故で働けなくなった場合に、「自由主義なので、家族で路頭に迷ってください」といって放置するのでは、社会に不安が蔓延しますし、また、国家全体の活力が失われかねません。
 私たちは一人では生きていけないのです。そして、誰もが、自由主義経済の荒波に飲まれる危険性があります。そんな中、そっと手をさしのべるのが、政治の役割だと思っています。

 そんな安全網の1つが、年金です。年金は安全網ですから、「絶対に安心だ」と信頼していただける制度作りをすることが重要です。高橋なりひさは、現在も高齢者関係の専門誌に毎月コラムを連載するなど高齢者問題に取り組んできましたので、より良い年金制度を作りたいと思っています。
 より良い年金制度の実現のためには、現在の「賦課方式」(現在の勤労世代が払い込む保険料を現在の高齢者に給付する方式)をやめて、徐々に「積立方式」(若いうちに支払った保険料を積立てておいて老後にそれを受け取る方式)へ移行することを検討すべきだと考えます。つまり,賦課方式には,高齢化社会においては年金財政が逼迫して,高齢者への給付が減るという欠点や,保険料と給付のタイミングがずれて勤労世代に過度の負担感を背負わせるという欠点がありますので、それを克服すべきだと思います。
 もちろん、この移行にはいくつかの工夫が必要です。だからこそ、「よい年金制度をつくりたい」という熱意こそが重要です。一緒に、「よい年金制度」を作りませんか!?


2017年05月10日

斉通 2017年5月②号

        

 
日本経済の屋台骨、中小企業の支援を!
 
  日本経済の屋台骨は、なんといっても中小企業です。中小企業は、企業数の99.7%を占め、雇用の7割を支えているのみならず、地域経済の中心を担う存在です。まさに、中小企業は、地域住民の雇用や生活を支えるのみならず、日本経済全体にとって必要不可欠な存在であることは間違いありません。
 そんな重要な存在である中小企業は、今、多くの課題に直面しています。高橋なりひさは、弁護士としても中小企業の経営改善に取り組んで参りましたが、今回はとくに、「事業や企業の継続」を取り上げたいと思います。

 休廃業・解散件数が高い水準で推移している状況の背景にあるのが、人手不足と後継者不足の問題です。廃業企業のうち債務超過企業は23%にとどまっている一方で、廃業者の86%が60歳以上という状況です。そして,中小企業の経営者の過半数が60歳以上で、一番多い年齢が66歳。2020年頃には数十万人が引退の時期に差し掛かりますが、そのうち5割が、後継者不足などで廃業予定と回答している状況です。
 このような現状に対処するには、人材確保を支援するための「中小企業の社会保険料負担を軽減する制度」や,事業承継に配慮した「相続税制の整備」など,多面的に、中小企業の「事業や企業の継続」を支援していくことが求められていると考えます。
 日本の中小企業の持つ高度な技術やノウハウの継承を支援し、日本全体の国際競争力を維持しようではありませんか!


2017年05月26日

斉通 2017年6月①号

        

 
国民を 大切に!
 
  1980年代の規制緩和以降、日本の労働者とその家族の生活の環境は激変しました。派遣労働者の出現と、非正規労働者の増加です。非正規労働者の生涯賃金は、同種の正規労働者の約3分の1にとどまっているのです。
 「昔も非正規労働者はいたよ」とか、「アルバイトやパートでしょ?」と仰るなかれ。実は、1980年代初めには16%だった非正規労働者の割合は、現在では40%を超えているのです。
 昔も、非正規労働を選択される方はいらっしゃいましたが、学生さんのアルバイトや家計を補助するための主婦のみなさんのパートなどでした。つまり、一家の家計を主に担う人が他にいて厚生年金や健康保険に加入し、学生さんや主婦のみなさんも家族として健康保険に加入していることが多かったので、家計全体としてみれば問題は少なかったのです。
 しかし、現在は、家計を主に担う人が非正規雇用や派遣社員になっており、しかも、本当は正規労働を望んでいるのにそれが叶わなかったという人が増えていると思われ、それが大問題なのです。これは、個人の問題にとどまりません。社会不安や、日本経済の活力、租税負担力など、社会全体の問題なのです。
 「正規雇用か非正規雇用かは本人の努力の問題」という声も聞かれます。しかし、規制緩和以降に雇用状況が激変したので、非正規雇用等が増えたのはまさに労働政策の問題なのです。この規制緩和により、労働憲法ともいわれる職業安定法旧32条が骨抜きにされてしまいました。
 ヨーロッパを例に、「多様な働き方を推進すべき!」と仰る方もいらっしゃいますが、それは十分な説明になっていません。日本には、ヨーロッパで存在する「同一労働同一賃金」が存在せず、単に人件費を低く抑えるために利用されているのです。
 日本は少子高齢化が進んでいます。働く者を大切にしない国は、必ず報いを受けると、私はそう思っています。


2017年06月04日

斉通 2017年6月②号

        

 
税を 公平に!
 
 税にとって最も重要なことは、“公平さ”です。
 
 まず、「横の公平さ」、つまり、同じ所得の人は同じ税率であるのが公平です。
 ところが、給与所得者は所得の9割が補足されているのに、それ以外は5割以下しか補足されていないのではないかと問題があります。1960年代に問題視され、その後はあまり言われなくなりましたが、実はむしろ悪化していると言われています。こうした「所得の捕捉」の問題や、「租税の回避」の問題を正してから、後述の「所得税の累進性」を進めないと、給与所得者の負担ばかりが増えるので、単純な累進性の議論にはおおいに注意が必要です。
 
 次に、「縦の公平さ」、つまり、所得が増えるほど高い税率をかけることが公平です。
ところが、所得税負担率(所得税/所得)(2014年)は、所得1億円の28.7%をピークに下がり続け、所得100億円を超えると17.0%にまで下がってしまうのです(国税庁調べ)。所得が多いほど税率が低くなるという、極めて不公平な状態になっています。
 
 こうした不公平な状態を正し、喜んで税金を「預けてやるぜ!」と思える世の中を作ろうではありませんか。


2017年06月11日