斉通 2017年4月④号

        

 
日本の国力を低下させる「安い賃金」
  
 実質労働生産性の上昇率と、実質雇用者報酬の上昇率の関係について、上記マンガの、右側3段目のグラフをご覧になってほしい(出典:OECD.Stat をもとに厚生労働省労働政策担当参事官室にて作成)。
 実質労働生産性の上昇率(実線)と、実質雇用者報酬の上昇率(点線)の間には、乖離が見られ、賃金の伸びが低く抑えられていることがグラフからわかる。本来は上がってもよいはずの賃金が上がっていないということである。これは、「賃金が上がりにくく、低い生活水準で満足することを余儀なくされるシステム」が作られ、それに甘んじることを強いられ、不公平な状況が固定化されつつあることを示していると思われる。上記グラフをみれば、賃金が不公平に低く抑えられ始めたのは2001年からであることがわかる。2001年といえば、自民党小泉政権が発足した年である。
 自民党小泉政権発足前は約2割だった非正規労働者が、今は4割を超えた。また、年収200万円以下の労働者は、1990年には19.6%だったものが、2003年には20%を超え、現在は約4人に1人となってしまった。
 日本の労働環境は、労働者を苦しめ続けて、格差を固定化あるいは拡大している。これを放置すれば、総需要も減少し、日本経済全体にもダメージを与え続けるだろう。
 労働環境の改善は、喫緊の課題だ。


2017年04月24日