斉通 2017年3月①号

        

「公平な税制」を!
  
 前回述べた通り、ほとんどの日本人は、適正な競争の結果ではなく、現在の「不公平なルール」の悪影響で、「本来は不要な苦労」を無理強いさせられている。「元々豊かな人」は、高所得者に有利な税制の恩恵を受けるだけでなく、株価上昇などで更に豊かになった。しかし、その恩恵はほとんどの国民にしたたり落ちてくることはなかったし、「勤労者」の給与の回復は遅く、「高齢者」の年金は目減りし、相対的貧困状態の「子供」はどんどん増加し、格差はさらに拡大した。
 今、何をなすべきか!? 答えは簡単だ。既存の政治家が張り巡らせた「ごく一部の豊かな人に、特別に有利な不公平なルール」を打ち破り、新たに「すべての人のためのルール」を作ればよい。
 今回も,新しいルールを1つ提案する。「金融所得への20%の軽減税率(分離課税)」の見直しだ。なお、金融所得とは、株式投資など金融商品の取引により発生した所得のことである。
 
 この見直しのメリットは次の3点である。
 メリット①:所得は,その種類がなんであれ,同じ率で課税するのが「公平」だ。つまり,労働所得と同じ率で金融所得にも課税すべきである。ところが,労働所得は累進課税方式(所得が多いほど税率が高くなる)で「5〜45%」であるのに,金融所得は分離課税で「20%」の軽減税率が適用されている。これはあまりに不公平だ。実際、その不公平な税制のせいで、所得税負担率(所得税/所得)(2014年)は、所得1億円の28.7%をピークに「下がり続け」、所得100億円を超えると17.0%にまで下がる(国税庁調べ)。高額所得者ほど、勤労所得ではなく金融所得が多くなるからである。所得が多いほど税率が高くなるのが公平なのだから、現状は極めて不公平な状態なのである。
 メリット②:日本を,「投機」ではなく「勤労」に報いる国へと方向付けることに役立つはずだ。税制が国民に与えるインセンティブの力は絶大だ。
 メリット③:不平等税制が是正されることで「歳入」が増え,人(教育など)やモノ(道路など)などの必要な公共投資ができるようになる。東京財団の試算によれば、金融所得への税率を5%上げるだけで約1兆円の税収増となるのだ。

 例えばフランスでは、分離課税ではなく総合課税で、金融所得にも15.5%~60.5%の累進課税が適用されている。
 日本の政治家の「本気」と「やる気」が、いま問われている。   


2017年03月02日